2025年11月貿易統計

主力の米国向け自動車の輸出が急回復し、貿易収支は黒字に転換

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2025年12月17日

サマリー

◆2025年11月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+6.1%と3カ月連続で増加し、季節調整値も前月比+3.4%と4カ月連続で増加した。輸入金額は前年比+1.3%と3カ月連続で増加し、季節調整値も前月比+3.5%と2カ月ぶりに増加した。貿易収支は+3,223億円と5カ月ぶりの黒字、季節調整値では+629億円と2カ月連続の黒字となった。

◆11月の輸出数量は前月比+3.5%と2カ月ぶりに増加した。地域別では、米国向け(同+12.7%)が急回復したほか、EU向け(同+9.4%)、アジア向け(同+3.8%)も増加した。一方、アジア向けのうち中国向け(同▲8.0%)は中国経済の低迷などを背景に2カ月連続で減少した。

◆先行きの輸出数量は軟調に推移するだろう。旺盛なAI・データセンター関連需要を背景に、情報関連財は引き続き底堅く推移する一方、自動車や鉄鋼などを中心にトランプ米政権による追加関税(トランプ関税)の影響が継続するとみられる。米国の雇用環境の悪化や中国経済の減速、日中関係の悪化といった下振れリスクにも注意が必要だ。

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