サマリー
◆2024年8月の生産指数は前月比▲3.3%と、コンセンサス(同▲0.5%、Bloomberg調査)を下回り2カ月ぶりに低下した。8月下旬に台風の影響で自動車メーカーなどの工場の稼働が停止された影響などが表れた。経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、緩やかに上昇するとみている。自動車の生産体制の正常化で、受注残に対応するための挽回生産が見込まれる。また、シリコンサイクル(世界の半導体市場に見られる循環)の回復で、半導体関連財の増産も押し上げ要因となる。ただし、日本で輸出管理規制が強化されれば、中国での半導体製造装置などの販売額が落ち込み、日本の生産指数が下押しされるリスクには注意が必要だ。
◆2024年10月7日に公表予定の8月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲4.0ptの105.3、一致CIが同▲4.1ptの113.1と予想する。この予測値に基づくと、8月の基調判断は機械的に「下げ止まり」に据え置かれる。
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