サマリー
◆2024年5月の生産指数は前月比+2.8%と、2カ月ぶりに上昇した。自動車工業が工場稼働再開の影響で上昇に転じ、全体を押し上げた。電気・情報通信機械工業でも、自動車用電気照明器具などの自動車関連品目が押し上げ要因となった。経済産業省は基調判断を「一進一退ながら弱含み」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は非常に緩やかな上昇基調を辿るとみている。生産体制の正常化で自動車の挽回生産が見込まれるが、認証不正問題などの影響が完全に剥落するまでは緩やかなペースにとどまるだろう。また、シリコンサイクル(世界半導体市場に見られる循環)の回復局面入りで、半導体関連財の生産も増加するとみられる。ただし、輸出管理規制の強化によって、中国での半導体関連財の販売額が落ち込み、日本の生産指数を下押しするリスクには注意が必要だ。
◆2024年7月5日に公表予定の5月分の景気動向指数は先行CIが前月差+0.6ptの111.5、一致CIが同+1.2ptの116.4と予想する。予測値に基づくと、5月の基調判断は機械的に「下方への局面変化」に据え置かれる。
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