サマリー
◆本稿では足元のインフレの特徴を、「需給要因分解」と「流通過程別の動向」という2つの側面から整理し、先行きの金融政策への示唆を見出す。
◆【需給要因分解】2023年4月のコアCPI上昇率は前年比+3.4%であった。このうち「需要要因」の寄与度は+2.1%pt程度、「供給要因」は+1.2%pt程度と推計される。1年前に50%程度だった「需要要因」の寄与率は、直近では63%程度まで高まった。需要インフレの側面が大きくなっているようだ。
◆【流通過程別の動向】企業間(いわゆる「B to B」)における企業の投入コストは足元で急騰しているが、産業連関表などから推計すると、その主因は国内での価格設定行動の変化などに起因する「国内要因」とみられる。家計・企業間(いわゆる「B to C」)にも変化が見られ、足元では投入コストの増加分以上に小売価格を引き上げている可能性がある。
◆上記の変化が見られる中で日銀が金融緩和を継続すれば、デフレから完全に脱却し、2%の物価安定目標を達成する可能性は時間とともに高まるだろう。ただし、インフレが加速しすぎるリスクも徐々に高まることには留意が必要だ。日本は欧米に比べてインフレ期待の適合度合いが大きく、インフレの実績値の影響を受けやすい。そのため、インフレが加速しすぎる局面では大規模な金融引き締めが必要となる可能性がある。
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