サマリー
◆2023年4月の完全失業率(季節調整値)は2.6%と3カ月ぶりに低下した。内訳を見ると、失業者数は3カ月ぶりに減少し、就業者数は2カ月連続で増加した。他方、非労働力人口は2カ月ぶりに増加した。失業者の内訳を見ると、「自発的な離職」と「非自発的な離職」が減少した。総じて見ると、雇用環境は改善したといえよう。
◆2023年4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍と前月から横ばいだった。新規求人倍率(季節調整値)は2.23倍と3カ月連続で低下した。新規求人倍率では求職側、求人側いずれも増加したが、求職側の増加率が求人側のそれを上回った。
◆先行きの雇用環境は経済活動の正常化の進展などもあって緩やかな改善を維持するだろう。失業率は振れを伴いながらも低下し、有効求人倍率は宿泊・飲食関連を中心に求人数が増加することで緩やかな上昇に転じるとみている。ただし、外需の縮小を受けて製造業を中心に労働需要が縮小する可能性には注意が必要だ。
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