サマリー
◆2023年3月の生産指数は前月比+0.8%と2カ月連続で上昇した。自動車工業が2カ月連続で全体を押し上げた。低迷する輸出とは対照的に、堅調な国内景気を背景とした持ち直しの兆しが見られる。経済産業省は基調判断を「緩やかな持ち直しの動き」に上方修正した。1-3月期で見ると前期比▲1.8%と、2四半期連続で低下した。2022年度では前年比▲0.3%と、2021年度(同+5.9%)から大きく減速した。
◆先行きの生産指数は、供給制約の緩和による増産と外需の縮小の影響が拮抗し、年前半で均せば横ばいで推移するとみている。年後半にかけては、米欧経済への下押し圧力の緩和や中国における財消費の回復などによって上昇基調に転じるとみている。
◆5月10日に公表予定の3月分の景気動向指数は先行CIが前月差+0.0ptの98.0、一致CIが同+0.0ptの98.6と予想する。予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「足踏み」に据え置かれる。
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