サマリー
◆2023年2月の生産指数は前月比+4.5%と2カ月ぶりに上昇した。中国での春節がずれたことなどにより1月に大幅に低下した反動や、供給制約の緩和が主因とみられる。もっとも、春節要因を差し引いて見た1-2月平均は2022年12月比▲3.2%であり、外需の縮小を主因とした基調の弱さは継続している。経済産業省は基調判断を「総じてみれば、生産は弱含んでいる」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、引き続き供給制約の緩和による増産と外需の縮小の影響が拮抗し、均して見れば横ばいで推移するとみている。足元では機械類の受注残が積み上がっている一方、サプライチェーンは正常化に向かっており、供給制約の緩和による受注残の消化が生産指数の下支え要因となろう。他方、米欧の景気減速を主因に自動車の超過需要などが縮小している可能性には注意が必要だ。
◆4月7日に公表予定の2月分の景気動向指数は先行CIが前月差+1.4ptの98.0、一致CIが同+2.7ptの99.1と予想する。予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「足踏み」に据え置かれる。
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