サマリー
◆2022年12月の生産指数は前月比▲0.1%と2カ月ぶりに低下したが、前月の製造工業生産予測調査(同▲1.3%、計画のバイアスを補正した試算値)を上回った。12月は生産指数と連動性が高い輸出数量が急減し、外需に弱さが見られた一方で、堅調な内需が国内生産を下支えしたようだ。経済産業省は基調判断を「総じてみれば、生産は弱含んでいる」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、供給制約の緩和と外需の縮小の影響が拮抗して横ばいで推移するとみている。主力の自動車産業を中心に機械類が生産指数を押し上げるだろう。他方、欧米の景気減速によって輸出向け製品の生産は伸び悩むとみている。加えて、経済安全保障を背景とした中国向け半導体関連財の輸出規制が現実味を帯びてきており、中国経済が正常化する中でも日本の生産指数の押し上げ幅が限定的にとどまる可能性がある。
◆2023年2月7日に公表予定の2022年12月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲0.3ptの97.1、一致CIが同▲0.4ptの98.9と予想する。予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「改善」に据え置かれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2022年11月鉱工業生産
反動減や外需の縮小による減産で基調判断は2カ月連続の下方修正
2022年12月28日
-
2022年10月鉱工業生産
外需の縮小を受けて輸出向け品目の生産が軟調に
2022年11月30日
-
2022年9月鉱工業生産
前月からの反動や中国経済の不調を背景に生産指数は低下
2022年10月31日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
サステナビリティ情報の保証をめぐる動向
ISSA5000の公表、各国の規制、わが国での検討状況
2024年12月04日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第3版)
様々な物価・賃金指標を用いる案および住民税分離案を検証
2024年12月04日
-
消費データブック(2024/12/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2024年12月03日
-
DB運用見える化と従業員ファイナンシャル・ウェルネスの向上
事業主に求められるDB情報周知の強化と金融経済教育機会の充実
2024年12月03日
-
上場廃止と従業員エンゲージメント
2024年12月04日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
-
石破新政権誕生、経済政策の注目点は?
デフレ脱却後も見据えた供給面重視の経済・財政運営に期待
2024年10月03日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
中国経済見通し:なりふり構わぬテコ入れ策発動
金融緩和、住宅市場テコ入れ策、株価対策、国債増発
2024年10月22日
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
石破新政権誕生、経済政策の注目点は?
デフレ脱却後も見据えた供給面重視の経済・財政運営に期待
2024年10月03日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
中国経済見通し:なりふり構わぬテコ入れ策発動
金融緩和、住宅市場テコ入れ策、株価対策、国債増発
2024年10月22日