サマリー
◆2023年1月の生産指数は前月比▲4.6%と3カ月ぶりに低下した。輸出比率の高い品目の低下が目立っており、外需の悪化の影響が色濃く表れた。もっとも、中国で春節が1月にずれたことで輸出が下振れしたという側面もあることから、全体の動きは均して見る必要がある。経済産業省は基調判断を「総じてみれば、生産は弱含んでいる」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、供給制約の緩和などによる国内向け製品の増産と外需の縮小が拮抗し、横ばいで推移するとみている。国内では半導体不足の緩和などによって主力の自動車生産が持ち直している。他方、輸出向け製品の生産は米欧の景気減速によって今後も伸び悩むだろう。経済回復が進む中国向けについても、米国が日本に要請した半導体関連財の対中輸出規制によって下振れするおそれがある。
◆2023年3月8日に公表予定の1月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲1.1ptの96.1、一致CIが同▲3.4ptの95.7と予想する。予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「足踏み」に据え置かれる。
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