2022年11月鉱工業生産

反動減や外需の縮小による減産で基調判断は2カ月連続の下方修正

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2022年12月28日

サマリー

◆2022年11月の生産指数は前月比▲0.1%と3カ月連続で低下した。主力の自動車工業などで回復が進んでいるものの、外需の弱さなどを背景に資本財が軟調に推移している。経済産業省は基調判断を2カ月連続で下方修正し、「総じてみれば、生産は弱含んでいる」とした。

◆先行きの生産指数は、供給制約の緩和と外需の縮小の影響が拮抗して横ばいで推移した後、増加基調に転じるとみている。自動車産業に加え、受注残が積み上がっているその他の機械類も生産指数を押し上げるだろう。もっとも、主な輸出先である欧米では厳しい金融引き締めを背景に景気が減速している。事実上の「ウィズコロナ」に移行した中国の経済正常化が円滑に進むかが先行きの生産指数を左右するだろう。

◆2023年1月11日に公表予定の11月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲1.2ptの97.4、一致CIが同▲0.5ptの99.1と予想する。予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「改善」に据え置かれる。

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