サマリー
◆2022年9月の生産指数は前月比▲1.6%と、市場予想(同▲0.8%、Bloomberg調査)を下回り4カ月ぶりに低下した。好調だった8月の反動で低下に転じた。ただし、均して見れば上海市などでのロックダウン(都市封鎖)が解除された影響や供給制約の緩和による回復が続いている。経済産業省は基調判断を「緩やかな持ち直しの動き」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は非常に緩やかな上昇基調を辿るとみている。供給制約の緩和を背景に主力の自動車産業の正常化が進んでおり、先行きも生産指数を押し上げるだろう。他方、外需の縮小が生産を下押しするとみている。10月の中国共産党大会で「ゼロコロナ」政策が維持されたことや、欧米の景気減速・後退が現実味を帯びてきていることには警戒が必要だ。
◆11月8日に公表予定の9月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲4.0ptの97.3、一致CIが同▲0.7ptの101.1と予想する。予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「改善」に据え置かれる。
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