サマリー
30年ぶり、40年ぶりの高インフレと聞くことがすっかり珍しくなくなる中で、生活が苦しくなった人が増えている。消費を減らすことが難しいエネルギーと食品が物価高騰の主因であるため低所得層の生活苦が特に深刻だが、総じて急激な物価高に賃金上昇が追い付かず、実質賃金は目減りしている。また、高インフレを抑制しようと大幅な利上げに踏み切る中央銀行がますます増えているが、これは家計の債務返済負担を大きくする。この状況下で行われた英国与党である保守党の党首選やイタリア総選挙に向けた選挙戦では、争点はもっぱらインフレと景気悪化への対策に集中した。物価高と金利上昇による生活苦を和らげるべく、各国の政府は一時金支給や減税などの生活支援策を講じている。ただし、その財政措置が、金融政策のインフレ対策の効果を打ち消さず、また、財政悪化懸念を招かないようにと配慮する必要があり匙加減が難しい。「政治の力」の存在感が特に大きい中国では10月16日から開催される共産党大会のあとに、ゼロコロナ政策の緩和が進むかが大いに注目される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本経済見通し:2022年9月
「全国旅行支援」と水際対策の大幅緩和による経済効果は?
2022年09月21日
-
米国経済見通し 金融政策は再び暗中模索へ
FRBはタカ派化を継続するも、景気悪化は極力避けたい
2022年09月21日
-
欧州経済見通し 心身ともに寒さが凍みる
財政の大盤振る舞いが残す禍根
2022年09月21日
-
中国:党大会、経済重視への転換点となるか
8月の感染者増加は経済規模の小さい地方に集中、影響は限定的
2022年09月21日
同じカテゴリの最新レポート
-
経済指標の要点(3/18~4/14発表統計)
2026年04月14日
-
インバウンドに忍び寄る外部ショック
中国人旅行客減少下でも堅調だが、中東情勢緊迫化の影響に要注意
2026年04月09日
-
日本は国際的な人材獲得競争で勝てるのか
外国人労働者の増加継続を見込むも経済下振れと円安がリスク要因
2026年04月07日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

