サマリー
◆長期金利の上昇が続く中、政策要因による物価押し下げもあるが、実質金利はプラス圏で推移している。実質金利がマイナスで、緩和的な金融環境が維持されている間は、金利上昇による経済活動への悪影響はさほど見られなかったが、実質金利が明確なプラス圏で推移する経済においては金利上昇の影響に一段と注意を払う必要があろう。
◆当社の短期マクロモデルに基づき、長期金利が1%pt上昇した状態が1年間続いた場合を想定してシミュレーションを行うと、設備投資が大きく減少し、実質GDPは0.5%減少する。住宅投資や個人消費、純輸出も減少するだろう。
◆しかし、金利上昇が必ずしもマクロ経済に悪影響を及ぼすとは限らない。景気拡大等を背景とした金利上昇であれば、生産性向上等も相まって、投資の限界収益率は上昇し、設備投資には悪影響は表れにくくなるだろう。一方、財政悪化懸念やインフレ懸念を背景とした、経済成長を伴わない金利上昇であれば、設備投資や住宅投資などに対するクラウディングアウト効果などによって、シミュレーション結果に近い効果がマクロ経済にもたらされることになろう。
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