サマリー
◆2022年4月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+2.1%と、前月から伸び率が1.3%pt上昇した。携帯電話通信料引き下げの影響が縮小したことによる押し上げが大きいものの、食品などによる押し上げ圧力も強まっている。諸外国に比べ緩やかではあるものの、コストプッシュインフレが進行しているといえる。
◆全国コアCPIの財・サービス別の寄与度の変化を見ると、「通信料(携帯電話)」の影響の縮小でサービスが前月から大きく上昇したほか、輸入物価の高騰を受け、非耐久消費財(除く生鮮食品、エネルギー)も高まった。他方、エネルギーの寄与度は引き続き大きいものの、前月からは低下した。
◆今後は引き続き円安や商品市況高騰の影響などが物価を押し上げる一方、燃料油価格激変緩和対策事業や新たなGo Toトラベル事業などの政策が物価上昇を抑制し、コアCPIは前年比+1.5~2.0%程度で推移するとみている。ただし、輸入物価の高騰が続けばコアCPIが上振れする可能性がある。
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