サマリー
◆2021年12月の生産指数は前月比▲1.0%と3カ月ぶりに低下し、市場予想(同▲0.6%、Bloomberg調査)を下回った。前月の大幅増の反動などにより資本財の生産が減少したが、主力の自動車工業などでは増産が続いており、均して見れば回復基調が継続しているとみられる。経済産業省は基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は回復ペースが鈍化するとみている。自動車の減産や国内での新型コロナウイルスの感染拡大が重石となるだろう。他方、感染拡大がピークを過ぎたとみられる欧米向けの輸出関連財が生産指数を下支えするとみている。製造工業生産予測調査によると、2022年1月は前月比+5.2%(計画のバイアスを補正した試算値(最頻値)は同+0.6%)、2022年2月は同+2.2%と見込まれている。ただし、同調査には国内の複数の自動車メーカーによる追加減産の一部が織り込まれていない点に留意が必要だ。
◆2022年2月7日公表予定の2021年12月分の景気動向指数は先行CIが前月差+0.8ptの104.0、一致CIが同▲0.4ptの92.4と予想する。この予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「足踏み」に据え置かれる。
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