サマリー
◆2022年3月前半の消費は2月から小幅に回復したとみられる。3月6日に13県でまん延防止等重点措置(以下、まん延防止)が解除されたものの、地方圏が中心であったため回復は緩やかなものにとどまったとみられる。財消費は業種によってまちまちであった。百貨店や家電量販店は前月から改善したものの、スーパーやホームセンターはさえなかった。小売店・娯楽施設の人出は2月の中旬以降は緩やかに持ち直している。こうした動きを受け、外食・旅行・娯楽関連消費は緩やかに回復したとみている。
◆【小売関連】2022年3月前半の大手百貨店3社の既存店売上高は感染拡大前である2019年同期比で約1~2割減となった。主要都市でのまん延防止の適用が続くも、天候要因(大雪)が剥落したことでマイナス幅は前月から縮小した。また白物家電の販売が好調だった家電量販店の売上高は前月平均比+4.0%と増加し、コンビニエンスストアも同+2.2%と前月から増加した。他方、スーパーマーケットは同▲1.5%、ホームセンターは同▲0.8%となった。いずれもヘルスケア関連の販売が不調であった。
◆【サービス関連】2022年3月前半の新幹線輸送量は2019年同期比で5~6割減と2月からマイナス幅が縮小した。2月の旅客機の国内線輸送量は2019年同月比で7割減と1月からマイナス幅が拡大したものの、3月、4月の計画比での減便率は縮小する見込みである。まん延防止が残っていた18都道府県でも3月21日をもって解除されることから、県をまたぐ移動は回復傾向に向かい、宿泊や外食関連も持ち直すとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2022年1月消費統計
まん延防止等重点措置の影響が鮮明に表れる
2022年03月11日
-
消費データブック(2022/3/4号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
2022年03月04日
-
消費データブック(2022/2/22号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
2022年02月22日
同じカテゴリの最新レポート
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
-
KDD 2025(AI国際会議)出張報告:複数AIの協働と専門ツール統合が新潮流に
「AIエージェント」「時系列分析」「信頼できるAI」に注目
2025年09月03日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日