サマリー
◆2022年1月の消費は2021年12月から減少したとみられる。財消費は小幅に伸長したものの、サービス消費は新型コロナウイルスのオミクロン株感染拡大を受け、大幅に減少した可能性が高い。小売店・娯楽施設の人出は全国平均では12月下旬にコロナショック前の水準を上回っていたが、2022年に入ると急速に減少した。これと連動する傾向にある外食・旅行・娯楽関連消費も大幅に減少したとみられる。
◆【小売関連】2022年1月の大手百貨店3社の既存店売上高は感染拡大前である2019年同月比で約2割減となった。感染の再拡大を受け客数が落ち込み、伸び率は2021年12月と比べマイナス幅が拡大した。他方、スーパーマーケットの売上高は前月比+5.7%、大手家電量販店は同+7.1%と堅調だった。ホームセンターも同+4.4%となった。ホームセンターは9月以降減少基調が続いていたが、足元では底打ち感が強まった。
◆【サービス関連】2022年1月の新幹線輸送量は2019年同月比で4割減と2021年12月からマイナス幅が拡大した。12月の旅客機の国内線輸送量は2019年同月比3~4割減程度、宿泊者数(宿泊日数ベース)は同▲16%と、いずれも11月からマイナス幅が縮小した。他方、12月の外食産業の売上高伸び率は同▲7%と、マイナス幅は11月から概ね横ばいとなった。飲食店情報閲覧数を見ると、感染拡大やそれに伴うまん延防止等重点措置の適用を受け、1月に急減した。外食産業売上高も1月に大幅に減少したとみられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
消費データブック(2022/1/18号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
2022年01月18日
-
2021年11月消費統計
総じて見れば前月から増加するも、感染拡大で先行き不透明感が高まる
2022年01月07日
-
消費データブック(2022/1/6号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
2022年01月06日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
-
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
-
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日