サマリー
◆2021年11月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲1.2%と3カ月ぶりに減少した。もっとも、振れの大きい費目の大幅な減少で押し下げられたことが主因であり、消費実態をより正確に反映したCTIミクロベースでは同+1.2%と前月から増加した。また、商業動態統計の名目小売販売額は同+1.2%と3カ月連続で増加した。
◆財・サービス別に見ると、非耐久財、半耐久財、サービスは前月から増加、耐久財は前月の大幅増からの反動で減少に転じた。サービスでは宿泊料などが全体を押し上げた。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたことによって旅行需要も回復傾向にある。
◆12月の消費は11月から小幅に持ち直したとみられる。財消費は伸び悩んだものの、サービス消費が全体を牽引した可能性が高い。今後の消費は接触型サービス消費の動向(オミクロン株の感染拡大による経済活動の制限)が鍵を握ることとなろう。新規感染者数が爆発的に増加すれば、警戒感の高まりから外出頻度が減少し、消費を押し下げるだろう。
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