消費データブック(2022/1/18号)

個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り

RSS

2022年01月18日

  • 鈴木 雄大郎

サマリー

◆2022年1月前半の消費は2021年12月から足踏みしたとみられる。財消費は堅調であったものの、サービス消費は新型コロナウイルスのオミクロン株拡大を受け、減少した可能性が高い。小売店・娯楽施設の人出は全国平均では12月下旬にコロナショック前の水準を上回っていたが、2022年に入ると急速に減少した。これと連動する傾向にある外食・旅行・娯楽関連消費も減少したとみられる。

◆【小売関連】2022年1月前半の大手百貨店3社の既存店売上高は新型コロナウイルス感染症拡大前である2019年同期比で約1割減となった。感染の再拡大を受け客数が落ち込み、三越伊勢丹、高島屋の伸び率は12月と比べマイナス幅がやや拡大した。他方、スーパーマーケットの売上高は食品などが堅調で前月平均比+9.3%、大手家電量販店は同+12.4%と幅広い品目が増加した。ホームセンターも同+4.6%となった。ホームセンターは9月以降減少基調が続いていたが、足元では持ち直しの兆しが見られる。

◆【サービス関連】2021年12月の新幹線輸送量は2019年同期比で2~4割減と9月を底に持ち直しの傾向が継続した。11月の旅客機の輸送量も国内線は2019年同月比4~5割減程度と10月からマイナス幅が縮小した。11月の宿泊者数(宿泊日数ベース)は2019年同月比▲3割程度と10月からマイナス幅が縮小した。感染拡大が落ち着いたことで、県をまたぐ移動や旅行需要も回復した。他方、11月の外食産業の売上高伸び率は2019年同月比▲8%程度と10月から小幅にマイナス幅が拡大した。12月の飲食店情報閲覧数は足踏み状態にあり、忘年会シーズンの需要回復は鈍かったとみられる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート