サマリー
◆2021年10月の生産指数は前月比+1.1%と4カ月ぶりに上昇したものの、市場予想(同+1.9%、Bloomberg調査)を下回った。供給制約の緩和を背景に自動車工業が大幅増産となったが、伸び率は前月の予測値を下回っており増勢はやや弱い。経済産業省は基調判断を「足踏みをしている」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は緩やかな回復基調を辿るとみている。主力の自動車工業で回復が継続するとみられる。他方、依然として世界的な半導体不足がボトルネックとなっており、自動車生産の正常化までには時間がかかる可能性が高い。製造工業生産予測調査によると、11月は前月比+9.0%(計画のバイアスを補正した試算値(最頻値)は同+4.2%)、12月は同+2.1%と増産が見込まれている。ただし、同調査には最大のリスク要因である新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の影響が織り込まれていない点に留意が必要だ。
◆12月7日公表予定の10月分の景気動向指数は、先行CIが前月差+1.8ptの102.7、一致CIが同+1.2ptの89.9と予想する。この予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「足踏み」に据え置かれる。
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