サマリー
◆2021年11月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.5%と、コンセンサス(同+0.4%)を上回り、2020年2月以来の高い伸び率となった。商品市況の高騰を受け、非耐久消費財による押し上げ圧力が強まっている。足元のコアCPIの上昇は主としてエネルギーに起因しており、それを除いた物価の基調は足踏み状態にある。
◆11月のコアCPIの前年比変化率の内訳を見ると、エネルギーや食料(除く生鮮食品)といった非耐久消費財が押し上げた。他方、足元の主要な押し下げ要因であるサービスの寄与度は前月からほぼ変わらず、コアCPIの前年比変化率は10月の+0.1%から0.4%pt高まった。
◆コアCPIの前年比変化率は、様々な要因が混在しつつも、全体としては緩やかに上昇幅を拡大するとみている。2021年7-9月期まで緩やかな悪化が続いていたマクロの需給バランスは、国内の安定した感染状況が継続するとの想定の下、経済活動の正常化などにより改善に向かい、遅行的に物価の基調を押し上げよう。ただし、経済や物価を大幅に悪化させ得る新型コロナウイルスのオミクロン株等の変異株の動向には注意が必要だ。
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