サマリー
◆2021年7月の生産指数は前月比▲1.5%と2カ月ぶりに低下した。市場予想(同▲2.4%)を上回ったが、半導体不足や東南アジアでの新型コロナウイルスの感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)がサプライチェーンを直撃し、主力の自動車工業が減産となった。他方、半導体への根強い需要が同製造装置の増産につながった。
◆先行きの生産指数は緩やかに上昇するとみている。新型コロナウイルスワクチンの世界的な普及による経済活動の正常化の進展が幅広い業種の増産を後押しするだろう。世界的な半導体不足への対応のため、集積回路などの半導体や同製造装置の増産も見込まれる。自動車生産の挽回生産も見込まれるが、半導体不足や主要な部品調達先である東南アジア諸国での感染拡大の影響により、緩やかな回復にとどまるだろう。製造工業生産予測調査によると、8月は前月比+3.4%(計画のバイアスを補正した試算値(最頻値)は同+0.1%)、9月は同+1.0%と見込まれている。
◆9月7日公表予定の7月分の景気動向指数は、先行CIが前月差▲1.1ptの103.0、一致CIが同▲0.1ptの94.4と予想する。この予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は「改善」に据え置かれる。
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