2021年6月消費統計

コンセンサスを大幅に下回るも、総じて見ると前月から僅かに減少

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2021年08月06日

  • 鈴木 雄大郎

サマリー

◆6月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲3.2%と2カ月連続で減少した。前年比ベースでは、▲5.1%となり、僅かなプラスを予想していたコンセンサス(同+0.2%)を大幅に下回った。商業動態統計の名目小売販売額は前月比+3.1%と3カ月ぶりに増加した。

◆6月の消費は財・サービスによってまちまちの結果であり、総じて見ると前月から僅かに減少した。耐久財では半導体不足の影響を受けた自動車の販売減などが押し下げたが、被服及び履物などの半耐久財は増加した。また、サービスでは葬儀関係費や通信費が押し下げた。

◆7月の消費は耐久財がさえなかったものの、それ以外の財・サービスは6月から小幅に回復したとみられる。しかしながら新型コロナウイルス新規感染者数の急増を受け、7月下旬から小売店・娯楽施設の人出は減少傾向にある。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用地域が拡大され、期間も延長されたことで、8月の消費は幅広い地域で前月から減少する可能性が高い。

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