サマリー
◆5月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲2.1%と4カ月ぶりに減少した。商業動態統計の名目小売販売額は前月比▲0.4%と2カ月連続で減少した。
◆5月の消費は総じて見ると財・サービスともに前月から減少した。3度目の緊急事態宣言の延長と対象地域の拡大により、店舗の休業や営業時間の短縮、外出を控える動きが広がった。加えて、天候不順で季節商品の売れ行きが悪かったことも消費を下押しした。
◆6月の消費は下旬に沖縄を除き緊急事態宣言が解除されたことを受け、財とサービスのいずれも5月から小幅に増加したとみられる。しかしながら新型コロナウイルス感染症が6月中旬から東京を中心に再拡大しており、消費の回復は鈍いだろう。現在10都道府県に適用されているまん延防止等重点措置は7月11日に期限を迎えるが、報道によると、政府は1都3県への適用を1カ月程度延長する方向で検討しているという。感染拡大防止策による個人消費への悪影響について引き続き注視する必要があろう。
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