CPIの2020年基準への改定による影響

コアCPI変化率は最大で前年比▲0.3%pt程度の下振れ

RSS

2021年07月20日

サマリー

◆消費者物価指数(CPI)は2021年7月分(2021年8月20日公表予定)より2020年基準に改定される。2019年および2020年の消費額をもとに作成される新基準のウエイトを見ると、「教養娯楽サービス」や「外食」など、新型コロナウイルス感染症の拡大後に需要が低迷した分野のウエイト低下が目立つ。一方、「自動車等関連費」や「調理食品」などではウエイトが上昇しており、総じてみるとコロナ禍による行動様式の変化が反映された内容といえよう。

◆上方バイアスがかかりやすいCPIの前年比変化率は基準改定によって下方修正される傾向がある。今回も同様で、公表済みの2021年5月分に2020年基準を適用した場合のコアCPI変化率は、2015年基準のそれから前年比▲0.3%pt程度低下する見込みだ。足元でコアCPIを下押ししている「通信料(携帯電話)」のウエイト上昇などが主因とみられ、今後もコアCPI上昇率を下押しする要因になろう。当社では8月6日に公表される2020年基準の遡及結果を踏まえ、基準改定によるCPIへの影響をより詳細に分析して公表する予定である。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。