2021年5月雇用統計

完全失業率は0.2%pt上昇し、雇用環境は総じて悪化

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2021年06月29日

サマリー

◆2021年5月の完全失業率(季節調整値)は、3.0%(前月差+0.2%pt)と2カ月連続で上昇した。内訳を見ると、就業者が3カ月連続で減少し(同▲13万人)、失業者が2カ月連続で増加した(同+10万人)。3度目の緊急事態宣言の影響を受け、雇用環境は一段と悪化した。

◆5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍と前月から横ばい、新規求人倍率(同)は2.09倍(前月差+0.27pt)と2カ月ぶりに上昇した。新規求人数は一部業種で増加したことで、前月比+1.3%と2カ月ぶりに増加した。一方、緊急事態宣言下で積極的に求職活動を行いにくかったことなどから、新規求職者数は大幅に減少した。

◆先行きの雇用環境は景気に遅れる形で2021年末にかけて悪化傾向が続き、その後は改善に転じるとみている。ただし、足元で新規感染者数は首都圏を中心に増加傾向に転じている。感染状況の悪化が続けば、対人接触型サービス業などを中心に労働需要の回復が遅れる恐れがある。必要度に応じた十分な雇用維持支援を続けることが肝要だ。

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