サマリー
◆2021年5月の完全失業率(季節調整値)は、3.0%(前月差+0.2%pt)と2カ月連続で上昇した。内訳を見ると、就業者が3カ月連続で減少し(同▲13万人)、失業者が2カ月連続で増加した(同+10万人)。3度目の緊急事態宣言の影響を受け、雇用環境は一段と悪化した。
◆5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍と前月から横ばい、新規求人倍率(同)は2.09倍(前月差+0.27pt)と2カ月ぶりに上昇した。新規求人数は一部業種で増加したことで、前月比+1.3%と2カ月ぶりに増加した。一方、緊急事態宣言下で積極的に求職活動を行いにくかったことなどから、新規求職者数は大幅に減少した。
◆先行きの雇用環境は景気に遅れる形で2021年末にかけて悪化傾向が続き、その後は改善に転じるとみている。ただし、足元で新規感染者数は首都圏を中心に増加傾向に転じている。感染状況の悪化が続けば、対人接触型サービス業などを中心に労働需要の回復が遅れる恐れがある。必要度に応じた十分な雇用維持支援を続けることが肝要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
経済指標の要点(8/19~9/12発表統計分)
2025年09月12日
-
2025年9月日銀短観予想
製造業で業況判断DI(最近)は改善も、先行きへの警戒感は強い
2025年09月10日
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日