サマリー
◆2021年5月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.1%とコンセンサス(同0.0%)を上回り、1年2カ月ぶりに前年比プラスに転換した。エネルギー価格の影響を除いた新コアコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)は同▲0.2%と2カ月連続で前年割れした。ただし政策などの影響を除いて見れば、物価の基調は底堅く推移しているとみられる。
◆21年5月のコアCPIの前年比変化率の内訳を見ると、エネルギー価格の上昇が全体を大きく押し上げた。他方、サービスは前月に続いて低下要因となった。エネルギーでは原油価格の持ち直しを背景に「ガソリン」や「灯油」などが上昇したほか、資源価格の動きが比較的遅れて反映される「都市ガス代」や「電気代」のマイナス幅が縮小した。サービスでは携帯電話通信料にあたる「通信料(携帯電話)」が前年比▲27.9%と前月に続いて大幅なマイナスとなり、コアCPIを同0.7%pt下押しした。
◆全国コアCPIの前年比変化率は、当面は上昇要因と低下要因が入り混じる中で+0.1%程度で推移する見込みだ。原油価格の上昇や輸入物価の上昇などに加え、8月以降は前年のGo Toトラベル事業の裏の影響が押し上げ要因となろう。他方、携帯電話通信料の引き下げによる影響が今後も前年比上昇率を抑制しよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2021年4月全国消費者物価
コアCPIは前年比▲0.1%、携帯電話通信料が0.6%ptの下押し
2021年05月21日
-
2021年3月全国消費者物価
コアCPIは前年比の下落幅が縮小/2020年度は4年ぶりに下落
2021年04月23日
-
2021年2月全国消費者物価
原油価格の上昇を背景にコアCPIの前年比下落率が縮小
2021年03月19日
同じカテゴリの最新レポート
-
一時152円台に突入したドル円レート、日本経済への影響と円高の背景
10円の円高ドル安でGDPは▲0.16%も多くの企業・家計にはプラス
2026年09月09日
-
2026年9月日銀短観予想
AI・半導体需要で製造業は改善、非製造業はコスト増で悪化を予想
2026年09月09日
-
鉱工業生産は当面AI・航空・防衛関連需要がけん引
他方で、中東情勢等による下振れリスクに注意
2026年09月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

