サマリー
◆労働力調査によると、2017年7月の完全失業率(季節調整値)は、前月から横ばいの2.8%となった。失業者数は前月差+1万人と2ヶ月ぶりに増加し、就業者数は同+14万人と2ヶ月連続で増加した。一方、非労働力人口は同▲6万人と5ヶ月連続で減少した。これまで非労化していた人たちの労働参加が進んでおり、雇用動向は引き続き良好であると評価できる。
◆一般職業紹介状況によると、2017年7月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.01pt上昇し、1.52倍となった。4月以降、高度経済成長期以来の高水準が続いている。また、新規求人倍率(季節調整値)は前月から0.02pt上昇し2.27倍となった。有効求人倍率、新規求人倍率ともに、歴史的高水準で推移している。また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.01倍となった。
◆毎月勤労統計によると、2017年6月の現金給与総額は前年比+0.4%と3ヶ月連続で増加した。現金給与総額は、前年比で見ると小幅なプラスが続いている。内訳を見ると、所定内給与(同+0.5%)と特別給与(同+0.4%)が増加した一方、所定外給与(同▲0.1%)は減少した。
◆先行きの労働需給は、非製造業・中小企業を中心にタイトな状況が続く見通しである。ただし、ほぼ完全雇用状態に達しているため、就業者数の増加ペースは緩やかなものにとどまるとみている。今後、非正規雇用から正規雇用への切り替えが進めば、持続的にマクロの賃金も増加する公算が大きい。
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