4月鉱工業生産
熊本地震の生産全体への影響は限定的
2016年05月31日
サマリー
◆2016年4月の生産指数は前月比+0.3%と、2ヶ月連続で上昇した。熊本地震の影響により、低めの予想となっていた市場コンセンサス(同▲1.5%)対比でも上振れした。また、出荷指数は前月比+1.5%と上昇し、在庫指数は同▲1.7%、在庫率指数は同▲2.2%と、2ヶ月ぶりに低下した。予測調査指数は5月:同+2.2%、6月:同+0.3%と緩やかな持ち直しが続く見通しとなっている。4月の生産を総じてみると、熊本地震の生産全体への影響は限定的であり、在庫調整の進展が確認される良好な結果であったと評価できる。
◆先行きの生産は当面弱含むとみている。賃金上昇率および年金受給世帯所得の伸び悩みを背景に、消費を中心とした内需の本格的な回復には時間がかかるだろう。加えて円高の進行を受けて企業の収益環境が悪化する中、国内設備投資の増加も、人手不足対応の省力化投資や研究開発・省エネ関連投資など、的を絞った内容となる可能性が高い。一方、外需については、強弱入り混じりながらも底堅く推移する見通しだ。米国経済は家計部門を中心に底堅く、資本財輸出の伸び悩みを耐久財などの輸出が補うだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月20日
日本経済見通し:2021年1月
1-3月期は小幅な景気悪化を見込むも「二番底」リスクを排除できず
-
2021年01月20日
日本経済中期予測(2021年1月)解説資料
~コロナ禍で変容する世界経済と加速するグリーン化の取組~
-
2021年01月20日
日本経済中期予測(2021年1月)
コロナ禍で変容する世界経済と加速するグリーン化の取組
-
2021年01月20日
中国:V字回復下の中国経済の注目点
感染第2波は回避へ。注目される接触型消費の完全復活の成否
-
2021年01月20日
新たな科学技術・イノベーション政策への期待
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く