サマリー
◆2015年4-6月期の全産業(金融業、保険業除く)の経常利益は前年比+23.8%となり、増益幅は前四半期(同+0.4%)から大幅に拡大した。売上高についても同+1.1%と2四半期ぶりの増収となった。人件費の増加が収益に対して小幅に下押し圧力として働いたものの、原油安を主因とした変動費率の低下による経常利益の押し上げ効果が本格化し、企業収益の拡大に寄与した。
◆2015年4-6月期の全産業(金融業、保険業除く)の設備投資(ソフトウェア除く)は前年比+6.6%と9四半期連続で増加を維持したものの、増加幅は前期(同+8.1%)から縮小した。季節調整値で見ても、前期比▲2.7%と4四半期ぶりの減少となり、他の設備投資関連指標と同様に法人企業統計でも設備投資の回復の弱さが確認された格好だ。業種別に見ると、製造業は同+0.4%と増加が続いたものの、非製造業が同▲4.4%となり、全体を下押しした。
◆今回の法人企業統計の結果を受けて、4-6月期GDP二次速報(9月8日公表予定)では、実質GDP成長率が前期比年率▲1.6%(一次速報:同▲1.6%)となり、一次速報から大きな変化はないとみている。設備投資、公共投資については下方修正される見込みだが、民間在庫が上方修正される公算だ。ヘッドラインの数値にほぼ変化は見られないものの、在庫の積み上がりが成長率の一層の押し上げに寄与する見込みであり、内容としてはややネガティブな修正となるだろう。
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