サマリー
◆2015年6月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲3.0%と減少した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ても同▲2.6%と減少した。
◆実質消費支出の動きを費目別にみると、「交通・通信」(前月比▲7.6%)、「住居」(同▲8.7%)、「諸雑費」(同▲8.9%)、「被服及び履物」(同▲9.1%)、「家具・家事用品」(同▲10.6%)、「教養娯楽」(同▲0.9%)など幅広い費目で前月から減少した。「交通・通信」では自動車等関係費、「住居」では設備修繕・維持といった振れの大きい項目が大きくマイナスに寄与したとみられる。
◆ただし、先行きの個人消費は増加へ転じるとみている。すでにスタートしている7-9月期の前半に関しては、特殊要因がプラスに作用したとみられる。すなわち、4-6月期の下押し要因となった天候要因とクリアランスセールの後ろ倒しといった要因が個人消費の増加に寄与したとみている。加えて、所得環境の一層の改善も個人消費を押し上げる要因となろう。個人消費の前提となる賃金の動きを確認すると、一般労働者、パートタイム労働者の双方で上向いている。さらに、年金改定率も上昇に転じたことが、高齢者の個人消費を下支えするだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
日本が取り組むべきは「現役期」の格差是正
給付付き税額控除と所得税改革などで貧困層を支えよ
2025年08月25日
-
2025年7月全国消費者物価
単月で見れば弱めの結果も上昇基調は引き続き強い
2025年08月22日
-
2025年7月貿易統計
トランプ関税や半導体関連財の需要一服で輸出金額は3カ月連続の減少
2025年08月20日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日