サマリー
◆2015年2月の貿易統計では、輸出金額は前年比+2.4%と6ヶ月連続の増加となったものの、増加幅は前月(同+17.0%)から大きく縮小する結果となった。季節調整値で見た輸出金額も前月比▲7.0%と9ヶ月ぶりの減少となり、これまで続いてきた増加基調が足踏みした形である。
◆ただし、1月の輸出の急増および、2月の減少は中華圏における春節が影響しているとみられる(中国向け輸出金額は1月:前年比+20.8%→2月:同▲17.3%)。今回の結果はポジティブに評価できるものではないが、春節要因を織り込んだ市場コンセンサス(同+0.3%)からは上振れしたこと、全世界向け輸出金額の1、2月合計値は前年比+9.4%と高い伸びを維持していることに鑑みると、過度に悲観的に捉える必要もないだろう。
◆一方、輸入金額は、前年比▲3.6%と2ヶ月連続の前年割れとなった。輸入数量は同+4.5%と5ヶ月ぶりの増加に転じたものの、原油価格下落を主因に輸入価格が同▲7.8%と下落幅を拡大したことが輸入金額を押し下げた。この結果、貿易収支は▲4,246億円と32ヶ月連続の赤字となり、赤字幅は前月から縮小した。ただし、季節調整値で見た貿易収支は、輸出の大幅減を受けて▲6,388億円と3ヶ月ぶりに赤字幅が拡大した。
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