サマリー
◆2014年11月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比+1.3%となり、市場コンセンサス(同+4.4%)を下回る結果となった。2ヶ月ぶりの増加となったものの、前月の落ち込み幅に照らすと増加幅は限定的であり、物足りない結果であったと言える。
◆需要者別に受注を見ると、製造業は前月比▲7.0%と2ヶ月連続で減少した。5月を底に持ち直しの動きを続けてきたが、足下で増加ペースが鈍化している。非製造業(船舶・電力を除く)は前月比+0.5%と2ヶ月ぶりに増加した。前月の落ち込みを考慮するとヘッドラインの増加幅は限定的であったことに加え、内訳を見ると幅広い業種が前月から減少しており、力強さに欠ける内容であった。
◆GDP統計の設備投資は7-9月期には前期比減少となり、消費税率引き上げ後の成長のけん引役として期待されていた設備投資の弱さが内需低迷の一因となった。しかし、設備投資の一致指標である資本財出荷は持ち直しつつある。先行指標である機械受注も足下では減速感が見られるものの均せば上向きの動きとなっていることに加えて、日銀短観などの設備投資計画調査でも、企業の設備投資に対する積極的な姿勢が示されていることから、2014年度後半以降、設備投資は増加傾向に転じるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
-
2025年3月鉱工業生産
自動車工業や電気・情報通信機械工業など10業種が前月から低下
2025年04月30日
-
急速に広がる資格情報等のデジタル化
利用時に気をつけるポイントと求められるデジタルリテラシー
2025年04月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日