サマリー
◆10月の企業関連の指標は、持ち直しの動きを示す内容であった。鉱工業生産指数は前月比+0.4%と2ヶ月連続で上昇した。輸出数量指数(大和総研による季節調整値)は前月比+2.3%と上昇した。機械受注(船舶・電力を除く民需、季節調整値)は、前月比▲6.4%と5ヶ月ぶりに減少した。
◆10月の家計関連の指標を見ると、個人消費では反動減から緩やかに回復していることが示され、雇用環境に関しては回復ペースが鈍化していることが確認された。実質消費支出は季節調整済み前月比+0.9%と上昇した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)も同+1.3%と増加した。完全失業率(季節調整値)は前月から0.1%pt低下し、3.5%となった。有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.01pt上昇し、1.10倍であった。
◆足下で設備投資増加への地合いが整いつつある。設備投資の先行指標である機械受注は均せば持ち直しの動きを続けており、先行きの設備投資の増加を示唆する材料となっている。また、12月15日に公表された日銀短観を見ても、生産・営業用設備判断DI(全規模・全産業)が0%ptとなり、設備等過剰感が解消される結果となった。こうした状況下で、設備投資の一致指標とされる資本財出荷は10月に急増し、足取りの鈍かった設備投資にようやく増加の兆しが見えた。10月の急増からの揺り戻しには警戒が必要であるが、資本財出荷が上向きの動きを続けるか否かに、注目している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
トランプ関税の影響緩和に作用した企業対応
自動車は関税負担吸収で他企業への波及回避/機械は価格転嫁
2025年12月19日
-
2025年11月全国消費者物価
エネルギー価格の伸び率拡大を食料品価格などの伸び率鈍化が相殺
2025年12月19日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

