7-9月期法人企業統計と二次QE予測
製造業を中心に増益幅拡大/二次QEはわずかに下方修正と予測
2014年12月01日
サマリー
◆2014年7-9月期の全産業(金融業、保険業除く)の経常利益は前年比+7.6%と、11四半期連続の増益となり、増益幅は前四半期(同+4.5%)から拡大した。労働需給のひっ迫や、ベースアップの動きが広がる中で、人件費が11四半期ぶりの増加に転じ、固定費負担の増加が収益の下押し要因となったものの、売上高の増加が経常利益を押し上げた。売上高は前年比+2.9%と5四半期連続の増収となり、増収幅は前期(同+1.1%)から拡大した。
◆2014年7-9月期の全産業の設備投資(ソフトウェア除く)は前年比では+5.6%と6四半期連続で増加し、増加幅は前期(同+1.9%)から拡大した。季節調整値で見ても、前期比+3.1%と2四半期ぶりの増加となった。製造業が同+9.3%と大幅に増加したことが全体を大きく押し上げた。また、非製造業についても同+0.1%となり、増加幅はわずかであったものの、6四半期連続の増加と底堅い推移が続いている。
◆今回の法人企業統計の結果を受けて、2014年7-9月期GDP統計二次速報(12月8日公表)は、一次速報からわずかに下方修正されると予想する。大和総研では、実質GDP成長率は前期比年率▲1.7%(一次速報:同▲1.6%)とみている。
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