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8月雇用統計

雇用環境の改善ペースは鈍化

2014年09月30日

ニューヨークリサーチセンター シニアエコノミスト(NY駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆労働力調査によると、2014年8月の完全失業率(季節調整値)は、前月から▲0.3%pt低下し、3.5%となった。失業率は6月、7月と上昇が続き雇用環境の改善に足踏みが見られていたが、前2ヶ月の失業率の悪化を取り戻した格好である。雇用者数は前月差▲7万人と4ヶ月ぶりに減少したものの、自営業主・家族従業者の増加により、就業者数は同+9万人と3ヶ月ぶりに増加した。また、非労働力人口が前月差+13万人と大幅に増加したこともあって、失業者数は同▲18万人と大きく減少しており、非労働力化が進んだことが失業率の大幅な改善につながった。


◆一般職業紹介状況によると、2014年8月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.10倍となった。一方、新規求人倍率は前月から▲0.04pt低下し1.62倍となった。有効求人倍率の水準自体は1を上回る高水準での推移が続いており、労働需給はタイトな状況が続いているものの、雇用環境改善ペースに鈍化が見られている。


◆8月の雇用関連統計を総じて見ると、景気が減速するなか、雇用の改善ペースに減速感が見られたと言える。ただし、労働需給は引き続きタイトであるという状況に大きな変化はない。先行きについては、雇用環境の改善傾向が続くと見込んでいる。消費税増税後の反動減を主因とした景気減速によって、労働需給は一時的に緩和することとなったが、増税の影響が一巡し、景気が回復経路に復する中で企業の労働需要が再び強まっていくとみられる。

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