6月鉱工業生産

コンセンサスを下回るネガティブな結果

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2014年07月30日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2014年6月の生産指数は、前月比▲3.3%と2ヶ月ぶりの低下となった。市場コンセンサス(同▲1.2%)から大きく下振れしており、ネガティブな結果である。鉱工業生産は2014年1月をピークに減速していたが、さらに減速傾向を強めている。出荷指数は同▲1.9%と5ヶ月連続で低下し、在庫指数は同+1.9%と2ヶ月連続で上昇したことから、在庫率指数は同+3.5%と2ヶ月連続の上昇となった。


◆6月の生産指数を業種別に見ると、「その他工業」を除く全ての業種で低下した。前月時点の製造工業生産予測調査で半数以上の業種が6月の増産を見込んでいたにもかかわらず、大半の業種で生産が減少しており、非常に悪い内容。生産全体への寄与を見ると、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業による押し下げが大きかった。


◆製造工業生産予測調査では、7月の生産計画は前月比+2.5%、8月は同+1.1%となり、先行きについては持ち直しへ向かう見通しとなった。生産計画を業種別に見ると、7月は加工業種の多くが減産を見込む中、はん用・生産用・業務用機械工業、および化学工業の高い伸びが生産を押し上げる見通しとなっている。一方、8月については、広い業種で生産の持ち直しが見込まれている。

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