10月鉱工業生産

コンセンサスからは下振れしたが、増加基調継続

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2013年11月29日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年10月の生産指数は、前月比+0.5%と2ヶ月連続の上昇となった。市場コンセンサス(同+2.0%)からは下振れしたものの、生産は増加基調にあるという判断に変更はなく、先行きについても引き続き増加傾向が続く見込みであることから、過度に悲観視すべき内容ではない。


◆10月の生産を業種別に見ると、全15業種中、9業種が前月から上昇、6業種が低下となった。上昇した業種を見ると、はん用・生産用・業務用機械工業、電気機械工業、プラスチック製品工業の上昇が生産全体を押し上げた。


◆製造工業生産予測調査では、2013年11月の生産計画は前月比+0.9%、12月は同+2.1%となった。11月については、このところ高めの生産計画が続いているはん用・生産用・業務用機械工業が増産を見込んでいることに加え、鉄鋼業、化学工業の増加が全体を押し上げる見通し。12月については、素材、加工を問わず広い業種で増産を見込んでおり、全般的に生産の拡大基調が続く見通しとなっている。


◆先行きに関して、生産は今後も増加基調が続くと見込んでいる。2014年4月に予定される消費税増税前の駆け込み需要によって、耐久財を中心に個人消費が年度末にかけて加速する公算が大きいこと、公共投資が引き続き高水準で推移するとみられることから、内需の増加が生産を押し上げるだろう。また、生産と連動性が高い輸出数量は、アジア向けの減少等によりこのところ弱含んでいるが、円安の効果や米国を中心とした海外の景気拡大によって再び増加傾向に復する見込みであり、生産を牽引すると見込んでいる。

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