9月鉱工業生産

市場予想からは下振れするも、緩やかな増加基調継続

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2013年10月30日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年9月の生産指数は、前月比+1.5%と2ヶ月ぶりの上昇となった。市場コンセンサス(同+1.8%)を下回ったものの、3ヶ月移動平均値は2ヶ月ぶりの上昇となっており、生産は緩やかな増加基調にあるという判断に変更はない。


◆9月の生産を業種別に見ると、全15業種中、9業種が前月から上昇、6業種が低下となった。上昇した業種を見ると、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業など加工組立業種の増加が生産全体を押し上げた。


◆製造工業生産予測調査では、2013年10月の生産計画は前月比+4.7%、11月は同▲1.2%となった。10月は非常に高い伸びを見込んでいるが、はん用・生産用・業務用機械工業(前月比+15.8%)、情報通信機械工業(同+17.3%)の大幅な増産計画が主な増加要因となっている。これらの業種は、前月も大幅な増加を見込んでいたにもかかわらず、実際の生産は大きく下振れした。納期が後ずれした影響も考えられるが、やや割り引いてみる必要があるだろう。


◆先行きに関して、生産は今後も増加基調が続くと見込んでいる。生産と連動性が高い輸出数量は、ASEANの景気減速によって、アジア向けを中心にこのところ弱含んでいるが、円安の効果や米国の景気拡大によって再び増加傾向に復する見込みであり、生産を牽引すると見込んでいる。また、2014年4月に予定される消費税増税前の駆け込み需要によって耐久財を中心に個人消費が年度末にかけて加速する公算が大きいこと、公共投資が引き続き高水準で推移するとみられることから、内需の増加も生産を押し上げるだろう。

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