8月貿易統計

輸出数量は緩やかな増加

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2013年09月19日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年8月の貿易統計は、輸出金額が前年比+14.7%と6ヶ月連続の増加となり、概ね市場コンセンサス(同+14.5%)に沿った内容となった。輸出金額の季節調整値は前月比+2.2%と2ヶ月ぶりの増加、3ヶ月移動平均値では9ヶ月連続の増加と、輸出金額の増加傾向が続いている。


◆輸出数量指数を季節調整値で見ると(季節調整は大和総研による)、前月比+1.2%と、3ヶ月ぶりの上昇となった。輸出数量は均してみれば持ち直し傾向となっているが、緩やかな改善に留まっている。地域別に見ると、前月大幅に増加していたEU向けが減少したものの、アジア向けおよび米国向けの増加が押し上げに寄与した格好。


◆先行きに関しては、米国を中心とした世界経済の回復と、昨年末からの円安効果が顕在化することで、輸出数量の増加傾向が続くと見ている。これまで景気後退が続いてきた欧州でも景気底打ちの兆しが見られており、減少傾向が続いてきた欧州向け輸出数量も徐々に持ち直しに向かう公算が大きい。一方、このところASEAN諸国では景気が減速しており、アジア向け輸出が弱含む可能性には留意が必要である。

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