サマリー
◆2013年7月の全国CPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は、前年比+0.7%となり、市場コンセンサス(同+0.6%)を上回った。コアCPIの上昇幅が拡大した主な要因は、エネルギーの押上げ寄与が拡大したこと。これは、エジプトの政情不安を背景に原油価格が上昇したことに加えて、前年の裏の効果もあって「灯油」、「ガソリン」の上昇幅が拡大したため。
◆また、他の財・サービスに関して見ても、サービスは2ヶ月連続の上昇、半耐久財は3ヶ月連続の上昇となっており、物価上昇の動きに広がりが見られている。耐久財についても、依然下落が続いているものの、下落幅は縮小傾向にある。市況要因を除いた物価動向を表す「食料(除く酒類)及びエネルギーを除く総合」は、前年比▲0.1%とわずかに下落したが、下落幅は6月(同▲0.2%)から縮小しており、消費者物価は下落に歯止めがかかりつつある。
◆先行きについては、全国コアCPIはエネルギーによる押上げを主因にプラス圏での推移が続く見込みである。ただし、コアCPIは前年比+1%程度の緩やかな上昇に留まる見込みであり、日銀が目標とする前年比+2%の物価上昇の達成は困難な状況が続くとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
米GDP 前期比年率+2.8%と加速
2024年4-6月期米GDP:内需主導での堅調さを維持
2024年07月26日
-
監査・ガバナンス強化へ回帰する英国
昨年撤回した監査強化方針を復活し、ガバナンス・コードも厳格化へ
2024年07月25日
-
女性がキャリアを築ける職場ほど、子どもを持ちやすい
健保組合ごとの被保険者・被扶養者の出生率と、その要因の多変量解析
2024年07月24日
-
GX経済移行債に期待されるインパクトレポーティング
~GXの理解醸成促進に向けて~『大和総研調査季報』2024年夏季号(Vol.55)掲載
2024年07月24日
-
盛り上がりに欠ける英国の政権交代
2024年07月26日
よく読まれているリサーチレポート
-
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
-
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日