サマリー
◆2013年6月の生産指数は、前月比▲3.3%と5ヶ月ぶりの低下となり、市場コンセンサス(同▲1.5%)を下回った。3ヶ月移動平均も5ヶ月ぶりの低下となり、これまでの改善傾向が一服した格好だが、製造工業生産予測調査によれば先行きについては増加基調を見込んでおり、生産は持ち直しが続いているという判断に変更はない。
◆6月の生産を業種別に見ると、15業種中13業種で前月から低下しており、総じて弱い結果となった。ただし、先月時点の製造工業生産予測調査では、多くの業種が減産を見込んでいたため、事前の生産計画に概ね沿った内容と言える。特に、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、はん用・生産用・業務用機械工業などの加工組立業種の低下幅が大きく、全体を押し下げた。
◆先行きに関して、生産は今後も増加基調が続くと予想する。生産が安定的に増加するかどうかは、輸出数量の増加がカギとなる。新興国経済の減速が懸念材料ではあるが、米国の景気拡大や円安の効果によって輸出数量は増加傾向が続くとみられ、生産を牽引する見込み。さらに、2012年度補正予算執行による公共投資の増加や、2014年4月に予定される消費税増税前の駆け込み需要によって、内需は年度末にかけて加速し、生産を押し上げる公算が大きい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
米GDP 前期比年率+2.8%と加速
2024年4-6月期米GDP:内需主導での堅調さを維持
2024年07月26日
-
監査・ガバナンス強化へ回帰する英国
昨年撤回した監査強化方針を復活し、ガバナンス・コードも厳格化へ
2024年07月25日
-
女性がキャリアを築ける職場ほど、子どもを持ちやすい
健保組合ごとの被保険者・被扶養者の出生率と、その要因の多変量解析
2024年07月24日
-
GX経済移行債に期待されるインパクトレポーティング
~GXの理解醸成促進に向けて~『大和総研調査季報』2024年夏季号(Vol.55)掲載
2024年07月24日
-
盛り上がりに欠ける英国の政権交代
2024年07月26日
よく読まれているリサーチレポート
-
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
-
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日