5月貿易統計

円安が輸出金額を押し上げ、輸出数量も持ち直し傾向続く

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2013年06月19日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

2013年5月の貿易統計では、輸出金額が前年比+10.1%と、市場コンセンサス(同+6.4%)を大きく上回った。輸出金額は3ヶ月連続で前年を上回り、季節調整値で見ても前月比+3.2%と6ヶ月連続で増加しており、増加傾向が続いている。


輸出数量指数を季節調整値で見ると(季節調整は大和総研による)、前月比▲0.6%と3ヶ月ぶりの低下となった。ただし、3ヶ月移動平均では3ヶ月連続の増加となっており、均してみれば持ち直しの動きが続いている。


先行きに関しては、輸出数量が増勢を強めることで、輸出金額の増加が続くと見込んでいる。円安が輸出数量を押し上げるまでには半年程度のラグがあるため、昨年末からの円安の効果は今後本格化し、輸出数量増加の支援材料になるとみられる。貿易収支の黒字化は当面見込めないが、輸出数量が増加傾向になるのに伴い、赤字幅は徐々に縮小していく公算である。

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