サマリー
◆2013年1-3月期の全産業(金融業、保険業除く)の経常利益は前年比+6.0%となり5四半期連続の増益となった。売上高は同▲5.8%と4四半期連続の減収となっており、低水準での推移が続いているものの、変動費の減少や、人件費を中心とした固定費の削減が経常利益の押し上げに寄与した格好。企業収益動向を季節調整値で見ると、全産業の売上高は前期比+0.2%と、5四半期ぶりの増加に転じた。また、経常利益は同+4.9%と2四半期連続の増加となった。企業収益は製造業を中心に持ち直している。
◆2013年1-3月期の全産業の設備投資(ソフトウェア除く、季節調整値)は前期比▲0.9%と2四半期ぶりの減少に転じた。業種別に見ると、製造業では前期比▲1.1%と、3四半期連続の減少、非製造業でも同▲0.9%と2四半期ぶりの減少に転じており、1-3月期の設備投資は総じて低調な結果。輸出関連製造業を中心に収益環境は改善しつつあるものの、設備投資に対しては依然慎重な姿勢が続いていることが確認される内容であった。
◆今回の法人企業統計の結果を受けて、2013年1-3月期GDP統計2次速報(6月10日公表予定)は、1次速報からわずかに上方修正される見通しである。大和総研では、実質GDP成長率は前期比+0.9%(1次速報:同+0.9%)、年率+3.6%(1次速報:同+3.5%)と予想する。今回の法人企業統計の結果を受けて、設備投資が前期比▲0.5%(1次速報では同▲0.7%)と上方修正される見込み。一方、1次速報段階で仮置きになっていた建設総合統計の3月分が実績値に置き換わることで、公共投資は下方修正されると予想する。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年9月全国消費者物価
政策要因でコアCPI上昇率拡大も物価の上昇基調には弱さが見られる
2025年10月24日
-
2025年9月貿易統計
トランプ関税の悪影響続くも、円安効果で輸出金額は5カ月ぶり増加
2025年10月22日
-
2025年8月機械受注
非製造業(船電除く)を中心に弱含み、政府は基調判断を下方修正
2025年10月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日

