サマリー
◆2013年2月の生産指数は、前月比▲0.1%となり、上昇を見込んでいた市場コンセンサス(同+2.5%)に反して3ヶ月ぶりの低下となった。今回の結果に関しては想定外の弱い内容であったものの、3ヶ月移動平均で見ると3ヶ月連続で増加となっており、先行きに関しても緩やかながら増産を見込んでいることから、生産の持ち直し基調は続いている。
◆2月の生産を業種別に見ると、先月時点で大幅な生産増を見込んでいた電子部品・デバイス工業の生産が、前月比▲5.0%と計画に反して低下したことが生産全体を押し下げた。一方、全16業種中、10業種が前月から上昇しており、広い業種で生産は増加している。素材業種では概ね先月時点の計画に沿った内容となったが、輸送機械工業、情報通信機械工業、電気機械工業といった加工組立業種の上昇幅が計画に比べて小幅に留まったため、生産全体としては想定よりも弱い結果となった。
◆製造工業生産予測調査によると、2013年3月の生産計画は前月比+1.0%、4月は同+0.6%となっており、生産は増加基調が続くと見込んでいる。業種別に見ると、鉄鋼業、一般機械工業、電子部品・デバイス工業に関しては3月、4月ともに増産を見込んでいる。一方、非鉄金属工業、情報通信機械工業は3月、4月とも減産を見込み、特に情報通信機械では4 月に前月比▲19.1%と大幅な減産を見込んでいる。その他の業種の計画に関しては、一進一退となっており、生産計画に関してはここ数ヶ月間見られたような強気一辺倒ではなくなってきている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
米GDP 前期比年率+2.8%と加速
2024年4-6月期米GDP:内需主導での堅調さを維持
2024年07月26日
-
監査・ガバナンス強化へ回帰する英国
昨年撤回した監査強化方針を復活し、ガバナンス・コードも厳格化へ
2024年07月25日
-
女性がキャリアを築ける職場ほど、子どもを持ちやすい
健保組合ごとの被保険者・被扶養者の出生率と、その要因の多変量解析
2024年07月24日
-
GX経済移行債に期待されるインパクトレポーティング
~GXの理解醸成促進に向けて~『大和総研調査季報』2024年夏季号(Vol.55)掲載
2024年07月24日
-
盛り上がりに欠ける英国の政権交代
2024年07月26日
よく読まれているリサーチレポート
-
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
-
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日