2月鉱工業生産

生産指数は予想外の低下も、基調は持ち直し

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2013年03月29日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年2月の生産指数は、前月比▲0.1%となり、上昇を見込んでいた市場コンセンサス(同+2.5%)に反して3ヶ月ぶりの低下となった。今回の結果に関しては想定外の弱い内容であったものの、3ヶ月移動平均で見ると3ヶ月連続で増加となっており、先行きに関しても緩やかながら増産を見込んでいることから、生産の持ち直し基調は続いている。


◆2月の生産を業種別に見ると、先月時点で大幅な生産増を見込んでいた電子部品・デバイス工業の生産が、前月比▲5.0%と計画に反して低下したことが生産全体を押し下げた。一方、全16業種中、10業種が前月から上昇しており、広い業種で生産は増加している。素材業種では概ね先月時点の計画に沿った内容となったが、輸送機械工業、情報通信機械工業、電気機械工業といった加工組立業種の上昇幅が計画に比べて小幅に留まったため、生産全体としては想定よりも弱い結果となった。


◆製造工業生産予測調査によると、2013年3月の生産計画は前月比+1.0%、4月は同+0.6%となっており、生産は増加基調が続くと見込んでいる。業種別に見ると、鉄鋼業、一般機械工業、電子部品・デバイス工業に関しては3月、4月ともに増産を見込んでいる。一方、非鉄金属工業、情報通信機械工業は3月、4月とも減産を見込み、特に情報通信機械では4 月に前月比▲19.1%と大幅な減産を見込んでいる。その他の業種の計画に関しては、一進一退となっており、生産計画に関してはここ数ヶ月間見られたような強気一辺倒ではなくなってきている。

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