サマリー
◆2013年2月の貿易統計では、輸出金額は前年比▲2.9%と、2ヶ月ぶりの前年割れとなり、市場コンセンサス(同▲1.7%)を下回った。輸出金額を価格と数量に分けると、円安の効果もあり輸出価格が前年比+15.0%と大幅に上昇する一方で、輸出数量が同▲15.5%と大幅に落ち込んだことが下押し要因となった。
◆ただし、①前年の2012年がうるう年だったこと、②中国の春節が2012年は1月だったのに対し、2013年は2月であったこと、という特殊要因によって輸出数量の前年比伸び率が押し下げられており、今回の結果に関してはやや割り引いて見る必要がある。輸出金額を季節調整値で見ると前月比+1.3%と4ヶ月連続の増加となっており、価格上昇の効果によって輸出金額は持ち直しが続いている。
◆国内景気との連動性が高い輸出数量指数(大和総研による季節調整値)を地域別に見ると、米国向けが3ヶ月ぶりの減少に転じ、アジア向け、EU向けが2ヶ月連続の減少となったことから、全体としては前月比▲1.0%と2ヶ月連続の減少となった。アジア向けに関しては、上述の春節要因による影響もあるとみられるが、春節による影響が小さい欧米向けに関しても減少しており、輸出数量は依然低迷が続いている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年8月貿易統計
トランプ関税や半導体需要減の影響継続で輸出金額は4カ月連続減少
2025年09月17日
-
トランプ関税でインバウンドに黄色信号
中国人旅行客の伸びしろは大きいものの、他国の状況は厳しい
2025年09月16日
-
経済指標の要点(8/19~9/12発表統計分)
2025年09月12日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日