1月鉱工業生産

市場予想をやや下回るが、生産は持ち直し

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2013年02月28日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年1月の生産指数は、前月比+1.0%となり、2ヶ月連続の上昇となった。市場コンセンサス(同+1.5%)を下回ったものの、3ヶ月移動平均で見ても2ヶ月連続で上昇となり、先行きに関しても増産を見込んでいることから、生産は持ち直しつつあるといえる。


◆1月の生産を業種別に見ると、全16業種中、9業種が前月から上昇した。特にプラス寄与が大きかったのは、輸送機械工業、鉄鋼業、情報通信機械工業であり、昨月の時点で強めの生産計画を立てていた業種が、計画通り全体の生産を牽引した形となった。


◆製造工業生産予測調査によると、2013年2月の生産計画は前月比+5.3%、3月は同+0.3%となっており、生産は4ヶ月連続の増加を見込んでいる。2月に関しては、全業種が増産を見込んでいるが、特に情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業が高い伸びを見込んでいる。一方、これらの業種は3月には減産を見込んでいることから、3月の生産全体の伸びは2月から減速する見通しとなっている。2月、3月の生産が予測調査通りの結果となった場合、四半期ベースでは2013年1-3月期は前期比+5.9%と、4四半期ぶりの前期比増加となる見込みである。


◆生産と連動性の高い輸出数量の弱い動きが続くなかで、生産は持ち直しつつあるが、生産が安定的に増加するかどうかは、輸出の改善がカギとなる。海外経済の回復や、円安による価格競争力の改善といった外部環境の改善に鑑みると、輸出数量も増加に向かう公算が大きく、生産は増加傾向が続く公算である。

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