経済指標の要点(1/23~2/18 発表統計分)

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2013年02月19日

サマリー

◆2012年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率▲0.4%(前期比▲0.1%)と3四半期連続のマイナス成長となった。輸出、設備投資が低下するなど、企業部門の悪化が続いていることが確認される内容であった。また、個人消費は増加したものの、個人消費の裏付けとなる雇用者報酬は減少しており、全体として良い内容ではなかった。


◆2012年12月の企業関連の指標は、単月でみればこれまでの減速傾向からの転換を期待させる内容であった。鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比+2.4%と2ヶ月連続の増加。輸出金額(季節調整値)は前月比+2.4%と2ヶ月連続で増加しており、輸出に下げ止まりの兆しがみられる。機械受注(船舶・電力を除く民需)(季節調整値)は、前月比+2.8%と3ヶ月連続の増加となった。3ヶ月移動平均で見ても、2ヶ月連続の増加となっており持ち直しの動きが確認される内容であった。


◆2012年12月の家計関連の指標は、雇用・所得・消費が引き続き底堅く推移していることを示す内容であった。完全失業率は4.2%となり、前月から0.1%pt悪化したものの、均してみると、失業率は横ばいで推移しており、底堅い動きが継続していると考えられる。2012年12月の有効求人倍率(季節調整値)は0.82倍となり前月から0.02pt改善した。実質消費支出は前年比▲0.7%と2ヶ月ぶりのマイナスとなった。季節調整値は前月比▲0.7%と2ヶ月連続の減少となったものの、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ると、同+0.3%と2ヶ月ぶりの増加となっており、個人消費は底堅い推移を続けていると判断できる。海外の景気回復に伴い輸出が回復し、家計関連の指標は徐々に回復に向かうと見込まれる。


◆今後発表される統計では、2月20日に発表される貿易統計に注目している。2012年12月の貿易統計では、輸出数量の季節調整値が増加に転じた。為替相場が円安に動くと同時に、海外経済の回復傾向は鮮明になってきており、輸出は増勢を強めるとみている。2013年1月にも輸出数量の増加が続いていれば、企業収益の拡大、生産増など、景気拡大に向けた道のりを着実に進んでいるものと評価できよう。

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