12月消費者物価

コアCPIは下落幅拡大

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2013年01月25日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2012年12月の全国CPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は、前年比▲0.2%と前月から下落幅が拡大し、市場コンセンサス(同▲0.2%)に沿った結果となった。下落幅拡大の主な要因は、「宿泊料」と「インターネット接続料」の下落に伴い、サービスの下落幅が拡大したこと。


◆市況要因を除いた物価動向を表す「食料(除く酒類)及びエネルギーを除く総合、以下コアコアCPI」は前年比▲0.6%と、下落幅が前月から拡大、季節調整値で見ても、前月比▲0.1%と4ヶ月連続で下落しており、デフレ傾向が続いている。


◆先行きに関して、短期的には2013年2月以降、「テレビ」のマイナス寄与が急拡大するという特殊要因によって、一旦は下落幅が拡大する見込みである。一方、輸入価格の上昇が即座にCPIに転嫁されるエネルギーが、円安による輸入物価の上昇を受けて、CPIの押し上げに作用する見込みであることに加え、このところ改善が足踏みとなっていた需給ギャップが徐々に縮小に向かう公算であることから、基調的に物価は下落幅を縮小させていく見込みである。大和総研では、コアCPIが前年比プラスとなるのは2013年半ば頃と予想している。

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