10月鉱工業生産

生産は4ヶ月ぶりの上昇、先行きの生産計画も強気

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2012年11月30日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2012年10月の生産指数は、前月比+1.8%と4ヶ月ぶりの上昇となり、市場コンセンサス(同▲2.0%)を大きく上回った。製造工業の実現率は2010年8月以来のプラスとなっており、今回の鉱工業生産は想定外に良い内容であった。在庫指数は前月比+0.3%と3ヶ月ぶりに上昇したものの、在庫率指数は同▲1.8%と2ヶ月ぶりの低下となった。

◆製造工業生産予測調査によると、2012年11月の生産計画は前月比▲0.1%と減少が見込まれているものの、12月には同+7.5%と増加に転じる見込み。10月の生産を押し上げた電子部品・デバイス工業が11月、12月ともに大幅な増加を見込んでいることに加え、情報通信機械、輸送機械では12月には前月比二桁の増加を見込んでいる。素材業種に関しても12月は軒並み増産を見込んでおり、12月の生産計画は総じて強気の見通しとなっている。

◆生産の先行きに関しては、エコカー補助金終了の影響で生産を押し下げていた輸送機械に底打ちの兆しが見られることもあり、悪化には徐々に歯止めがかかるとみられる。生産と連動性が高い輸出数量は依然悪化傾向が続いていることから、製造工業生産予測調査で見込まれている急激な回復は想定しづらく、幅をもってみる必要があると考えるが、海外経済の持ち直しに伴って、生産は年明け以降増加基調に向かうと考えている。

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